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個人再生で借金がどれだけ減るのか

具体的に、個人再生手続を行うと借金の総額はどれくらい減らす事が出来るでしょうか。

個人再生は、法律にのっとって借金を減額する手続きです。減額できる金額は民事再生法で決められていて、借金の総額により異なってきます。具体的には下記の表の通りです。

借金の総額 再生後の金額
500万円未満  一律100万円
500万円以上 1500万円未満  総額の5分の1
1500万円以上 3000万円未満  一律300万円
3000万円以上 5000万円未満  総額の10分の1
5000万円以上

残念ながら個人再生手続を利用できません

上記の通りです。

《例1》

借金の総額が350万円の場合  

→  100万円に減額される!

(250万円の減額! 減額率71%)

 

《例2》

借金の総額が750万円の場合

→  150万円に減額される

(600万円の減額! 減額率80%)

 

《例3》

借金の総額が2000万円の場合

→  300万円に減額される

(1700万円の減額! 減額率85%)

 

つまり総額が多ければ多いほど個人再生で受ける恩恵は大きくなります。

ただし、総額が5000万円を超えると個人再生手続は使えません。

 

財産をたくさん持っている場合、減額が制限される
(清算価値保障の原則)

持っている財産以下に減額する事は出来ません。

もし、個人再生を申し立てる本人が、ある程度財産を持っている場合、その財産よりも低い金額にまで借金を圧縮する事は出来ません。これを清算価値保障の原則といいます。

例えば、申立人の預貯金とか株式などを合計すると120万円の価値があったとします。この120万円のことを清算価値と呼びます。もし借金の総額が500万円の場合、上記の表どおりだとこの500万円が100万円にまで減額されるはずです。しかしこの申立人の清算価値は120万円なので、最低でもこの120万円は支払わなければいけないのです。

つまり、「上記の表のとおりの金額」もしくは「持っている財産の額」どちらか大きい金額

が、減額できる限界の金額になります。最低でも自分が持っている財産と同じだけの金額は支払ってください、という趣旨です。

別の自己破産という手続においては、20万円を超える金額は回収され現金化して債権者に配当されるのが原則です。個人再生は、回収されたり売却したりする必要はありませんが、それと同額の支払いだけは要求される事になります。

ちなみに、清算価値に含まれる財産としてよくあるケースは下記の通りです。

内容 金額
現金 現金の額
預貯金 預貯金額
自動車・バイク

業者の査定額

(原則として新車から6年以上たっていると価値なしと判断される事が多い)

 生命保険 解約返戻金の額(証明書をもらう) 
不動産

業者の査定額(2社以上の見積もりが必要)

担保がついている場合は、査定額から残債務額を引いた金額

株式 時価
人に貸しているお金(債権) 貸している金額
   
   

 

その他の例外(否認行為、偏頗弁済)

財産を持っている事以外にも、減額できる金額を制限される場合があります。例えば次のような場合です。

・申立人が財産を他人に譲ってしまった場合

・特定の債権者だけに返済をしてしまった場合

・とても安い金額で財産を売却した場合

などなど

上記のように、不正に自分の財産を減らすような行為をした場合は、減らした金額、つまりもともとは申立人の財産であった金額を清算価値と捉えられてしまします。

例えば200万円を不正に誰かに贈与した、などという場合は債権者にとって非常に不利益になるので、200万円の財産を現在も持っている、と捉えてそれ以下に借金を減額する事を禁止しています。

減額した借金を分割で支払う!
(原則は3年間の分割払い)

原則は3年間、特別な事情がある場合は5年間の分割払いまで認められます。

上記のとおりに減額した借金は、分割で支払う事になります。分割方法については①どれくらいの期間で支払っていくのかという事と②その期間の中で何回の分割で払っていくかという事を決めます。まずは再生計画案という書面を裁判所に提出し申立人の希望を提出します。そしてそれが認可されればその方法で支払いを始めます。

まず、支払い期間を決めます。

支払いの期間は原則3年間となります。例えば減額後の借金が100万円の場合、もし3年間で支払うという事であれば、1ヶ月あたりの支払い金額は約2万8000円という事になります。

但し特別の事情があれば最長5年まで延ばす事が出来ます。申立人の収入状況から、3年での支払いは到底無理だ、と判断される場合は、それも特別の事情として認められる事は多いです。

また、何回の分割で支払っていくかという事も決めます。個人再生では最低でも3ヶ月に1回は支払いをしなければなりません。よって、毎月支払うか、3ヶ月に一度支払うかといった事を決めるのです。3ヶ月に1度のほうが振り込み手数料の節約になりますが、毎月支払う方法だと振込みを忘れにくいというメリットがあります。

 

分割支払いが終われば、全て免責される

上記のとおり、手続の中で決定した支払いを全部終わらせる事が出来れば、その時点で元々あった借金は全て免除(免責)となります。

自己破産とは違い、ある程度の支払いが必要ではありましたが、支払いを終えられたほとんどの方は達成感と、これからへの希望を感じられるようで、非常に喜ばれている方が多いです。

返し終わったという実感と負債がなくなったという開放感は、それまでの苦労があってこその感覚ではないでしょうか。

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ごあいさつ

認定司法書士
小泉健太郎
資格
  • 平成19年司法書士資格取得
  • 東京司法書士会所属
    第6542号

親切・丁寧な対応をモットーとしておりますのでお気軽にご相談ください。

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