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令和8年8月17日作成
任意整理とは借金の返済が難しい場合に、相手方と交渉をして返済条件を緩和してもらい、負担を減らして支払いをしていくという手続きです。
主なメリットとして、支払を細かい分割払いにして毎月の返済金額を下げることと、元々の契約上は支払わなければいけない「利息」をカット(減額、免除)して最終的に支払う総額を減らす、ということがあります。
では、実際にカットできる利息というのは具体的にどのようなもので、どのくらいカットできるのでしょうか。
そもそも利息とはどういったものなのでしょうか。
利息とはお金を借りる代わりに支払う対価となり、「借りた金額(元金)」と予め定められた「利率」、「借入している期間(日数)」に応じて付与されるものです。
一般的な消費者金融からの借り入れ、クレジットカードのキャッシング、銀行のカードローン等の場合、毎月決められた返済日に、元金に加えてその日までに付与された利息を支払うという事が多いようです。
利率については、借入金額に応じて年15~20%が上限と法律で定められています。
そのため、多くの業者は上限の15~20%を利率として設定しています。
例えば50万円を年18%の利率で借りた場合、単純計算で50万×18%÷12カ月=1カ月で約7,500円の利息が付くということになります。(正確に計算すると異なる計算方法になりますのでおおよその数字になります)
また利息とは別に「遅延損害金」というものもあります。
こちらも利息と同じようなものですが、利息が「契約上払うことを決められている対価」であることに対して、遅延損害金は「期限を守らなかった場合に発生するペナルティ」のようなものです。
遅延損害金の利率は通常、利息よりも高いことが多いですが、一般的な貸金業者等からの借入れであればこちらも基本的に上限は年20%となります。(例外あり)
返済期限を守らなかった場合に利息に代わって発生するものになりますので、利息と二重にかかることはありません。
厳密に言うと利息ではありませんが、同じような性質のものになり、利息を通常利息、遅延損害金を遅延利息と呼ぶこともあります。
そのため本記事では別途記載がない限り、「利息」の中に遅延損害金も含むものとして解説しています。
利息と一言で言っても、その発生時期等によってカットに応じてもらえる傾向にあるものとそうでないものがあります。
任意整理手続き上、利息は主に下記の3つに分けられます。
③は「将来利息」と呼ばれますが、この部分の利息をカットすることが任意整理の主な目的になります。
任意整理では通常5年前後の長期の分割払いで支払っていくことが多いため、基本的には一番金額としても大きい部分です。
そのため、当然将来利息はなし(0%)という条件で交渉をしていく形になりますが、多くの場合はその条件で応じてもらえます。
②は「経過利息」と呼ばれますが、司法書士や弁護士に任意整理の依頼をしてから、和解をするまで(返済が始まるまで)の間に発生する利息(遅延損害金)です。
任意整理を司法書士や弁護士に依頼すると、すぐ利息が止まるのではと考えている方も多いと思います。
しかしながら、任意整理を依頼して受任通知を送付すると督促(請求)は止まりますが、契約上はその間の利息(遅延損害金)が発生することになります。
この部分の利息については、現状は業者によって対応が分かれるところですが、カットに応じてもらえないことが多いです。
一部の業者は早めに和解をする等でカットに応じてもらえる場合もありますが、将来利息と比べると金額的に少額ではある部分のため、任意整理をするにあたって必要な手数料のようなものと割り切って、カットができない前提で考えるのがいいかもしれません。
①は任意整理を依頼する前に既に発生している利息や遅延損害金です。
例えば最後の返済から任意整理を依頼するまでの利息や、依頼する前に既に数カ月支払が遅れてしまっているような場合は、その間に発生していた遅延損害金です。
残念ながら、基本的にはカットに応じてもらえません。
例外が全くないわけではありませんが、一括で返済ができる場合などのかなり限られたケースです。
なお、中には何年も返済が滞ってしまって、かなり利息が付いてしまっているという状況のこともあるかと思います。
仮に利率が20%だとすると、金額は1年で1.2倍、5年で2倍になるということになります。
ただ、こういった状況であっても、残念ながら基本的にはカットに応じてもらうことは難しいです。
そのため、その金額を分割で払っていくということになりますが、それではどうやっても払えないという場合は、自己破産等の他の手続きも検討していくことになります。
また、5年以上返済をしていないと「時効」になっていて支払わなくてよくなる場合もあります。
さらに、かなり以前から(主に平成22年以前から)借入をしていたという場合は、いわゆる「過払金」が発生していて借金の減額や返金が請求できるという可能性もあります。
既に何年も延滞してしまっているという場合は、まずは時効になっていないか、過払金が発生していないか、調べてみることをおすすめします。
任意整理で主にカットの対象となる利息はいわゆる将来利息であることを説明しました。
では将来利息をカットできた場合、実際にどのくらいの金額が減額できることになるのでしょうか。
「任意整理をした場合、具体的にいくら利息が減りますか?」とご質問をいただくこともよくありますが、(将来)利息はこれから払う予定のものなので、もともと具体的な金額は決まっていません。
任意整理をしないまま返済を続けるとして、毎月いくら返済をするのかによって金額が変わってきます。
当然毎月の返済金額が少なければ少ないほど、完済までに支払う利息の総額は多くなります。
極端な話をすれば、すぐに残りを一括で返済できるのであれば、それ以降の利息は全くかかりません。
また、追加で借入をすればその分利息も増えることになります。
そのため、実際に減る金額というのははっきりお答えできませんが、仮に完済まで毎月同じ一定の金額の返済を続ける、追加の借り入れは一切しない、という条件で考えると、完済までに支払う事になる利息は計算できますので、それが参考になるかもしれません。
いくつか例を挙げると、下記のとおりです。
・借入金額50万円、年利18%、返済金額13,000円の場合
完済までの支払総額 約75万円(利息 約25万円)
・借入金額100万円、年利15%、返済金額26,000円の場合
完済までの支払総額 約137万円(利息 約37万円)
・借入金額140万円、年利15%、返済金額30,000円の場合
完済までの支払総額 約210万円(利息 約70万円)
任意整理をして、将来利息をなし(0%)にできた場合は上記の利息がそのままなくなることになります。
また、利息がなくなる分、同じ金額で返済をした場合は完済までの期間は短くなり、同じ期間で返済をする場合は毎月の返済金額は少なくなります。
将来利息がなくなるということのメリットがいかに大きいかというのがお分かりになるかと思います。
逆に言えば、年利10数%といった利率で借入をすることの負担の大きさが分かります。
以前は将来利息のカットに応じないのは一部の例外的な業者で、ほとんどの業者は将来利息なし(0%)という条件で和解ができていました。
しかしながら近年は徐々に、将来利息も0%にはできない、少なくとも数%は付けないと和解しないという業者が増えてきています。
任意整理をするまでの取引状況等にもよりますが、条件次第では利息のカットには全く応じないという業者も中にはあります。
利息のカットができない傾向にある主なケースは下記のとおりです。
取引期間が短いということは、まだあまり利息を払っていないということになります。業者からするとそういった状況では利息のカットに応じることはできないということがあるようです。
利息をカットしなくても無理なく返済ができるのではないかと思われるためです。
上記にもありますが、そもそも一部の業者は任意整理をしても利息のカットには一切応じないという決まりになっているということもあります。
最初に頭金としてまとまった金額を支払う等、条件次第では利息のカットに応じるという業者もいます。
既に支払いができなくなってから何カ月も経ってしまっていると、利息のカットに応じないという業者もいます。
また、お金を借りた業者から別の業者(債権回収会社等)に債権者が移ることがありますが、そういった業者は対応が厳しいことが多く、利息のカットにも応じないということが多いです。
任意整理の主な目的の一つである将来利息のカットは、応じてもらうことができれば通常かなりの金額が減額されることになります。
しかしながら、近年では状況次第で将来利息のカットに応じない業者も増えてきています。
また、既に長期間延滞をしている場合等、カットが期待できない利息がかなり付いてしまっているケースもありますが、その反面、時効になっている場合や、過払い金が発生している場合も考えられます。
任意整理で解決ができそうか、それ以外の手続きでないと解決ができないかというのは状況次第になります。
自分の場合はどうなのか気になっている場合は、まずはご相談ください。
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