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令和8年5月25日作成

借金のために家族や知人に名義貸しをするとどうなる?

目次

  1. 名義貸しとは
  2. 名義貸しによる借金は誰に返済義務があるのか
  3. 支払いをしなかった場合どうなるのか
  4. 名義を貸した相手に強制的に支払わせることはできないのか
  5. 名義貸しによってできてしまった借金の債務整理について
  6. まとめ

1.名義貸しとは

当事務所でお受けしているご相談中の一部に、「名義貸しをしてしまいました。」ということを述べられる方がいらっしゃいます。名義貸しというのは正式な用語ではありませんが、一般的には何かの契約をするにあたって、何らかの理由で自分の名義では契約ができない(または、あえて契約しない)方に代わって自分の名義で(名義を貸して)契約をすることを指すことが多いです。

よくあるケースとしては、家族や知人から頼まれて消費者金融やクレジットカードや各種ローン、携帯電話の契約をすることなどがあるかと思います。自分が契約したカードをそのまま知人に貸してしまうというケースもよく見られます。

また、最近ではいわゆる闇バイト、詐欺の手口として、報酬を支払うという約束で代わりに自分の名義で借金や携帯の契約、銀行口座の開設をさせられるというケースもあるようです。

そのようなケースでは知らないうちに犯罪行為に加担しているということになる可能性もありますので当然注意が必要ですが、そうでなくても自分の名義を他人に貸して契約をすることはリスクがあります。

こちらの記事では主に家族や知人が借金をするにあたって名義を貸したケースについて、どういったリスクがあるのか、名義を貸してしまった場合はどのように対応をすべきかを説明します。

2.名義貸しによる借金は誰に返済義務があるのか

名義貸しによる借金は誰に返済義務があるのでしょうか。

名義を貸した側からすれば、自分は名義を貸しただけで実際に借りたのは自分ではないから、当然名義を借りた側が返済をすべきだと考える方も少なくありません。

専門的な知識がない方がそう考えてしまうこと自体は仕方ないと思いますが、実際のところ、法律上の返済義務は契約をした名義人(名義を貸した側)にあることが通常と考えられます。

実際にお金を借りる契約を交わしたのはあくまで名義を貸した側であり、お金を貸している側の貸金業者等からすればそういった事情は全く認識していないためです。

そのため、借入先に対し「自分は名義を貸しただけだから支払わない、実際に借りた人(名義を借りた側)に請求をして」と言ってもまず通りません。

借入先(貸金業者)はあくまで契約上の名義人である名義を貸した側に請求をしてくることになります。

なお、通常貸金業者等から借入をする際は、本当に返せる能力があるか等の審査をしたうえで、審査が通れば貸付がされるということになりますが、名義を他人に貸して借入をすることは、(実際に借入をする名義を借りた側には)返済をする能力がないにもかかわらず、それを隠して借入をするような形になります。そのため、場合によっては借入先に対する詐欺的な行為とみなされ、名義を貸した側も、借りた側も刑事上の責任を負う可能性もあると考えられます。

また、自分名義のクレジットカードを他人に使わせるといったことも、名義貸しにあたります。カード会社の規約でも、契約者本人以外に利用等させることは禁止すると定めていることがほとんどのようです。

3.支払いをしなかった場合どうなるのか

上記のとおり、名義貸しであっても、法律上の返済義務はあくまで名義を貸して契約をした側にありますが、それでも支払いをしないとどうなるのでしょうか。

借りたお金を返済しなかった場合には様々なデメリットを被ることになりますが、それを被るのも名義を貸した側になります。

例えば、貸金業者や銀行からの借り入れについて、支払いをしないでいるといわゆるブラックリストに載ってしまいますが、ブラックリストに載るのも名義を貸した側です。

また、長期間返済をしていないと貸金業者等は裁判を起こして請求をしてくることもあります。それでも支払いをしないでいると持っている資産を強制的に差し押さえされてしまう可能性もあります。

預貯金を差し押さえられるだけならまだしも、勤務先の給料を差し押さえられると、そういった状況を勤務先に知られてしまうといったリスクもあります。

このように、いざ支払わなかったときにそのようなデメリットを被るのは名義を貸した側であるため、「自分は名義を貸しただけだから支払う必要はない」と言い逃れることはできません。

感情的には、自分が支払わないとならないということは腑に落ちないと考えられる方は多いと思いますが、最終的にデメリットを被ることになるのは自分自身であるということは認識しておく必要があります。

4.名義を貸した相手に強制的に支払わせることはできないのか

それでは、名義を借りた側には全く支払いをする義務はないのでしょうか

法律上の支払い義務は名義を貸した側にあると説明しましたが、それはあくまで借入先(貸金業者等)に対する関係での話です。

実際に返済をするのは名義を借りた側ということで約束をしていたのであれば、名義を貸した側も借りた側に支払いをするよう求めることは可能と考えられます。

ただし、支払いをするように求めても自発的にされなければ、最終的には裁判を起こして強制的に支払を求めることになりますが、もちろん必ず認められるということではなく、客観的にそういった約束をしていたという証拠等も必要になってきます。

また、自分で裁判を起こすということもできないことはありませんが、一般的には弁護士や司法書士といった専門家に依頼をすることになると思います。そうするとそのための費用もかかります。

さらに、裁判で認められたからといって必ず支払ってもらえるということでもありません。

相手に支払いをする資産や収入がなければ強制的に支払わせるということもできません

そもそも相手は名義を借りないといけないというような状況にあることを考えると、現実的には名義を貸した相手が自発的に支払いをしないという場合は、強制的に支払わせるというのも難しいことが多いと考えられます。

そうすると、残念ながら結局は自分で返済をしないといけないということになります。

5.名義貸しによりできてしまった借金の債務整理について

上記のとおり、名義を貸した相手が返済をしてくれない、強制的に支払わせることもできないということだと、名義を貸した側が自分で返済をしていくしかありません

ただ、借入金額が多額で、自分で返済をしてくのが困難だという場合もあると思います。

その場合は、債務整理をして負担を減らすことは可能です。

実際に借りたのは自分でないにも関わらず、費用をかけて債務整理をすることは納得がいかない部分はあるかと思いますが、返済ができずに放っておくと上記で説明したとおり、もっと大きなデメリットを負うことになってしまう可能性もあります。

とても自分には返済ができる金額ではないということで放っておくのではなく、早めに専門家に相談されることをお勧めします。

 

6.まとめ

上記のとおり、名義貸しをすることには様々なリスクがあります。

家族や知り合いから頼まれて断れず、また善意からしてしまったという方もいるかもしれませんが、重い責任を負う可能性がありますので、絶対にするべきではありません

名義を貸した側もそうですが、名義を借りた側も重い責任を負うケースも考えられます。

もし名義貸しを他人からお願いされた場合は、安易に名義を貸すのではなく、事情をしっかり確認して、専門家や公的な機関に相談する等、ほかの解決策を促すのがいいかと思います。

もし、名義貸しをしてしまったという場合は、名義を貸した相手が支払いをしてくれなければ、結局は自分で返済をせざるを得ないことになります。

自力での返済が難しいという場合は、債務整理をして返済の負担を減らすということはできますので、早めに専門家に相談されることをおすすめします。

 

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ごあいさつ

認定司法書士
小泉健太郎
資格
  • 平成19年司法書士資格取得
  • 東京司法書士会所属
    第6542号

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